離婚は結婚の何十倍も苦労が伴うということは、誰もが一度は耳にしたことのある言葉ではないでしょうか。とくに子どものいる夫婦では、今後の生活でどちらが子どもと一緒に暮らすかについて決定しなくてはならないことが一番大きな問題点になるでしょう。それに付随した親権や面会の有無や方法についても互いに条件を譲り合えずに話し合いが困難になることが多いようです。子どもの幸せを考えると、両親が離れ離れになることは選択できずに離婚を踏みとどまるケースもめずらしくありません。夫婦双方が子どもと離れることを望まない場合、親権争いに発展し、ふたりの話し合いでは決着をつけることが難しく、調停に持ち込まれることもあるでしょう。ここでは一般的に間違われやすい親権の正しい意味と、これを取得する方法についてご紹介します。

幼い子どもの場合は母親が獲得する可能性が大きい

一般的に、子どものいる家庭では日頃の家事や育児を担うのは母親側が圧倒的に多いでしょう。妊娠や出産、産後の保育などすべての期間において母親の役割は計り知れません。最近では父親が育児に参加するケースも増えていますが、子ども社会生活である学校や幼稚園などでの暮らしについてはどうでしょう。生活全般において、子どもに関わる事柄の多くに接しているのは母親のほうです。大切なのは、子どもができるだけ不自由なく暮らす権利であり、これを守るためには経済力も必要となります。しかし、たとえ母親が専業主婦であっても経済的な援助を得ることができれば、その他の生活については心配事が少ないでしょう。これまで家事や育児、学校生活に関わることについて関わりが少なかった父親よりも、母親の方が適任だとみなす考えは、子どもの年齢が幼いほど通用します。そのため、調停で争うことになったとしても父親側が権利を獲得できることは珍しいケースなのです。

15歳以上の子どもは本人の意思で選ぶことができる

幼い子どもは母親と暮らすことのほうが、不自由が少ないという一般的な考え方に対し、15歳以上の子どもでは本人の意思を尊重します。両親にとっては大切な子どもであるため、子どもの意思だけでなく自分自身の意見も捨てきれないことはあるでしょう。この場合は調停に持ち込んでも結果はやはり子ども自身にゆだねられるケースが多いようです。ただし、本人がどちらも選ぶことができないという場合は調停員の意見が加えられます。親権にとは一般的に、両親のうちどちらと子どもが一緒に暮らすかについての取決めと解釈されがちですが、必ずしもそうとは限りません。離婚後の生活を共にする権利のことを直接的に表現する言葉は養育権です。教育や財産にかかわる義務や権利をもつことをさししめすため、一緒に暮らしていなくてもこの権利は成立するのです。