結婚年数が浅く、子どもがいない夫婦が別れるときは、お互いの合意があれば、離婚届を記入して役所に提出すればすぐに受理してもらえます。しかし、大人の保護が必要な未成年の子どもがいる場合は、離婚する前に夫婦のどちらが引き取るのか話し合いをして、決めておかなければいけません。離婚届には、そのことを記入する欄があり、その欄が未記入の場合は受理されないからです。未成年の子どもの財産や養育などの生活全般にかかわることを管理する親の権利を「親権」と呼びます。ただし、20歳未満でも子どもが結婚している場合には、除外されます。婚姻しているときには、夫婦の両方ともがその権利を有しており、共同で子どもを養育していくことになります。しかし、日本の法律では夫婦関係が解消された場合は、どちらか一方にしかその権利を認められないことになっており、別れた後も二人で子どもを養育して、管理していくことはできません。そのため、別れるときに子どもの親権をめぐって、夫婦の間でトラブルになり、調停や裁判にまで発展することも珍しくないです。

別れた後に後悔しないために基本的な知識を知っておこう

親権は、法律では子どもの食事の世話や教育、しつけなどの生活全般の面倒をみる権利である「身上監護権」と自分で金銭的管理ができない子どもの代わりに財産を管理したり、法的な契約を代理で行う権利である「財産管理権」の2つに分かれます。この2つの権利をそれぞれがもつことも可能ですが、通常はこの「身上監護権」と「財産管理権」は一緒に夫婦のどちらかが受け持つことになることが多いです。夫婦の話し合いで、どちらかが受け持つのが決まる場合は、問題はありませんが、夫や妻の両方が子どもを引き取ることを譲らなかった場合には、第3者が介入することになります。最終的には、裁判で争うことになりますが、第1段階ではいきなり裁判はせずに家庭裁判所で調停委員を交えて話し合いを行うことになります。この調停の場でも解決しなかった場合は、家庭裁判所で夫婦のどちらかが子どもを引き取るのがよいかを審議することになります。

家庭裁判所の判断材料は、子どもの福祉を一番重視する

この親権の目的は、親ではなく子どもの福祉を重視しているため、子どもの養育環境としてどちらの親に引き取られたら場合がよいかということを中心に家庭裁判所では判断を下すことになります。判断材料としては、大きく分けて子どもへの愛情度合いや親の経済力や生活態度、子ども自身の意思の3つになります。子どもの意思が裁判で重視されるのは、10歳以上からです。10歳未満の場合は、幼いため正しい判断を子どもにさせるのは難しいと判断されるからです。子どもの年齢が15歳以上の場合は、子どもの意思が判決に大きく影響されることになります。子どもの福祉に悪影響を与える要因がなければ、基本的に離婚事由を作った側でも権利を認められることが多いです。ただし、結婚生活が破綻した原因が、暴力や家事放棄などの場合は、子どもの福祉にも悪影響を与える可能性が高いため、裁判で不利になりやすいです。